共済とは。共済を考えてみる。

生命保険を調べてみたりするとよく「共済」というのを見かけると思います。
共済という言葉は知ってるけど保険と何が違うのかよくわからないという人も結構いるのではないでしょうか。
ですので、今回は共済について考えてみようと思います。

共済とは

言葉の意味そのものとしては「力を合わせて助けあうこと。」です。
保険にも相互扶助の考えというのがありますので、共済も根本の考え方は保険と変わりません。
万が一の事態が起きた場合に保障を提供する仕組み自体は同じですが、共済は加入者の特徴やニーズに応じて独自性のある保障を提供しています。

共済と保険との違い

民間の保険事業は株主や社員への配当を目的とする営利事業ですが、共済事業は営利を目的としておらず、組合員(加入者)が自ら運営することを通じ、組合員に最大の奉仕をすることを目的としています。

保険は不特定多数の方を対象に加入を勧めることができますが、共済は原則組合員やその家族が加入できます。

法律についても、共済は「農業共同組合法」や「消費生活共同組合法」、「水産業共同組合法」といった関係法令に基づいて実施されているのに対し、保険は「保険業法」に基づき実施されているという違いもあります。

共済の種類

知名度の高い4つの共済について紹介します。

  • 都(道・府・県)民共済
    全国生活協同組合連合会(全国生協連)が元受団体となって各都道府県で実施されている共済事業です。神奈川県では全国共済と呼称しています。生命共済と火災共済を取り扱っています。
    各都道府県の財務状況により保障内容に差があり、充実している地域もあればそうでない地域もあります。なお、福井県、山梨県、鳥取県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、沖縄県の8県には共済事業が行われていませんので、
    他都道府県から転居した場合などは保障が継続できない場合があります。
  • JA共済
    JA共済連の各都道府県の支部を通じて各地のJA(農協:日本の農業共同組合)と共同で「ひと・いえ・くるま」の総合保障を行っています。
    JAの組合員が所属しているJAでの加入が基本ですが、組合員以外の方でも加入可能です。(員外加入)
  • 全労済
    正式名称は「全国労働者共済生活共同組合連合会」と言います。
    全国生協連と同様に共済事業を行う協同組合のひとつです。生命共済、こくみん共済、火災共済、自動車共済、年金共済、自賠責共済などを取り扱っており、
    所属する労働組合経由の加入が基本ですが、 各都道府県の共済生協の本支部でも加入可能です。
  • コープ(CO・OP)共済
    日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)が元受団体となって、加入者となる生協組合員の保障を行っています。生命共済、火災共済、医療共済があり、各地の生協で加入手続きが可能です。
共済のメリット
  • 保険よりも掛け金が割安
    一般的な保険と比べて掛け金が安い商品が多く、また県民共済や全労災などは掛け金が一定の為、高齢でも掛け金が変わらないという特徴があったりします。
  • 割戻金として組合員に還元されることがある。
    決算期に余剰金が発生した際に、割戻金として共済の種類や掛け金、加入期間よりますが戻ってくる場合ばあります。
共済のデメリット
  • 年齢を重ねるにつれ保障が先細りする
    掛け金自体は年齢を重ねても変わりませんが、保障内容が下がっていきますので、老後のことだけを考えての加入の場合はよく考えた方がよいでしょう。